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光雲寺「看月亭」再生工事

「看月亭」は、南禅寺の境外塔頭である光雲寺の境内に建つ数寄屋造りの庵です。

築年数は不詳なのですが、今年の6月から伝統工法で改修させていただきました。

そしてこの度、京都らしいこだわりの宿を多数展開されている「(株)葵ホテル&リゾート」さんが、運営される新たな滞在型の宿「看月亭」として生まれ変わりました。

先週のブログで、竣工を祝って模様された「月看の宴」を紹介させていただきましたが、今回は、完成写真を一部紹介させていただきます。

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看月亭は、七代目小川治兵衛の作庭による東山を借景にした池泉回遊式庭園の中にたたずみます。

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岩間から池に流れ込む水は、「哲学の道」の側を流れる琵琶湖疏水の水が取り入れられています。

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庭も今回、手を入れられ庭にとけこむ一層素晴らしい宿となりました。

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今回の改修の方針として、すべてを新しくするのではなく、現状建物のたたずまい、永い時間が経たなければ生まれない建物の風合いをできるだけ活かしながら、快適な「宿」としての機能を満たすこと、そして何よりも庭との一体感を損ねないように心がけました。

泊まり客が集いくつろぐ八畳の書院造りの座敷からの眺め。

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書院には「火灯窓」があります。

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床脇に「地袋」があったのですが、そこにエアコンを仕込み前に格子を入れました。

また畳の下には床暖房が設置されています。外国人客は寒さをとても嫌がるそうです。

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座敷の隣にある「三畳台目」の茶室。

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座敷と茶室の前にある庭へとつながる敷き瓦風の土間。

以前は土間に半間幅の腰板付ガラス戸が14枚はめられていたのですが、今回は大きなガラス戸中心に7枚にし、庭との繋がりを大切にしました。

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北山杉の「海布丸太」、「木舞」、「女竹」で組み、「くろべ」の天井板を張った土間の天井と軒、今回その軒先が銅板屋根から水が回り朽ちていたのですが、今回担当した大工の青山棟梁が朽ちた軒先だけを切り取りうまく継ぎ納めてくれました。

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既存の磨き丸太を活かしながら新たに床の間を設けた寝室。

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一棟借し滞在型の宿などでキッチンを設けています。

この場所は茶室の「水屋」があった所です。

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既存の「竿ぶち天井」やガラス戸を活かした洗面・脱衣室。

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床と腰は御影石張り、壁・天井は水に強い吉野桧の赤身で仕上げました。

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入り口が赤杉の「縦舞良戸」のトイレ。

以前のトイレは便器が大・小に分かれていたので間仕切りの小壁がありそれを撤去したことで土壁の下地の「貫穴」、親竹の「エツリ」跡が柱に残ります。そこでその個所を「ゴマ竹」をあてて隠し、また鴨居の穴は「埋め木」をし、あえて新しい柱に取り替えませんでした。

改修の後が残ることでこの建物の歴史を感じてもらえたらいいとの思いからです。

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トイレの外に設けた手洗いは、オーナーさん支給で清水焼きの清水六兵衛作陶の高価な焼き物を使わせていただきました。

壁には、水はねで塗り壁が傷まないように漆を塗った「美濃和紙」を貼っています。

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2階の小屋裏部屋。

小屋梁を表しにし、壁・天井は漆喰で仕上げています。

天井の低いことで落ち着き、またここからの眺めが実にいいです。

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ここにも遮光用の襖を仕込んでいます。

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葵ホテル&リゾートのオーナーさんは、骨とう品や陶器などがお好きで多くの逸品を収集され所有されています。そしてこの部屋にも収集品の中から惜しげもなく李朝の家具が飾られています。

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既存の船底天井、建具、下地窓などを活かした玄関。

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「看月亭」は、11月からオープンします。6名様まで宿泊可能です。

京都にお越しのおりは是非一度お泊りになってください。

ご満足いただけるここと思います。

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by y-tukide | 2017-10-16 14:42 | 仕事色々

光雲寺「看月亭」完成お披露目会

今年の6月から、南禅寺の境外塔頭である光雲寺の境内にある数寄屋建築「看月亭」の改修工事をさせていただいていたのですが、9月の中に無事竣工しました。

この建物は、七代目小川治平の作庭による東山を借景にした庭の中にたたずみます。

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そしてこの度、「京都という町を体験してほしい」という思いで、ホテルと京町家をこだわりの宿として多数展開されている「(株)葵ホテル&リゾート」さんが、運営される新たな滞在型の宿「看月亭」として生まれ変わりました。

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そして中秋の名月、お披露目会ということで、光雲寺のご住職をはじめ我々工事関係者並びにその他の関係者の方々をお招きいただき、看月亭の名にふさわしい「月看の宴」が開かれました。

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用意していただいたもてなしの料理は、京都の一流の料理人さんの手によるお月見に合わせた京料理。

素材がよく、味だけでなく見た目や雰囲気も含めて愉しませてくれる洗練された料理です。

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そして極め付きは炭火で焼く「焼き松茸」。

盃を片手に焼きたての松茸に岩塩をちょっとのせで食べる、これが実にうまい。

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料理も最高ですが、ライトアップされた幻想的な庭も宴を盛り上げます。

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「看月亭」の小屋裏部屋からの眺め。

葵ホテルのオーナーさんはこの部屋がお気に入りです。

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そして「名月」。

皆さんの日頃の精進がいいのか拝むことができました。

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宴もたけなわ、デザートは月見団子とマンゴー。

栗の入った月見団子もおいしかったですが、この日いただいたマンゴー、これまでに食べたマンゴーはいったいなんだったかの思わせる味でした。

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この日は、五感を堪能させていただいたお披露目会でした。

ごちそうさまでした。

近々、完成写真を掲載しますのでまたご覧になってください。

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by y-tukide | 2017-10-06 17:52

篠山街道 福住から篠山を行く

9月のはじめ、京都の亀岡から丹波篠山の福住まで「篠山街道」を歩いたのですが、

今回は福住まで車で行き、そこから篠山城の城下町である篠山へと街道を歩くことにしました。

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篠山市の福住地区は、篠山盆地の東端に位置し、街道沿いに東から「西野々」「安口(はだかす)」「川原」「福住(ふくすみ)」の四つの集落からなります。

近世、「福住」は宿場町として栄え商家建築が街並みを形成し、「西野々」「安口」「川原」には、街道沿いに農家建築が並び独特の街並みを形成しています。

この福住地区は、5年前の平成2412月に伝建地区(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されました。

街道沿いに、茅葺を鉄板で覆った家、瓦葺で「つし2階」の入母屋造りの家が連続し、

玄関が建物の棟に直行した妻側に設けられた「妻入り」の農家建築が並ぶ「安口(はだかす)」の集落。

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街道沿いに建つ広い間口の妻入りの茅葺農家。

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この辺りには、篠山の特産品「丹波篠山黒豆」の畑が広がります。

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住吉神社を越えたあたりから街道は福住の集落に入ります。

各地の一般的な街道筋の宿場の町家は、建物の棟と並行した側面に玄関がある「平入り」の建物が多いですが、ここでは一部「平入り」の町家もありますが、「妻入り」商家建築が連続して並ぶ街並みを形成しています。

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格子を施した平入りのこの町家は、改修されイタリア料理店として活用されています。

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福住の集落の外れ、篠山に向かう372号線と大阪の能勢町に向かう173号線の交差するあたりに根回り13.7m樹齢700800年と推定される「安田の大杉」が悠然と立っています。

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街道は、「安田の大杉」から173号線を一時走り、「小野」の集落から折れ旧道を行きます。

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さわやかな秋晴れの中、のどかな田園風景の中を歩くのはとても気持ちがいいです。

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この時期、街道筋の家々のまわりにはコスモスが、あぜ道には真っ赤な彼岸花が咲き、目を楽しましてくれます。

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杉の巨木が立ち並ぶ参道にある波々伯部(ほうかべ)神社。

京都の祇園社(八坂神社)から勧請したと伝承され「丹波の祇園さん」と呼ばれ、毎年8月に例祭(祇園祭)が行われるそうです。

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この辺りの街道筋の家々の玄関先には、鯛の絵が張られています。これは何かと地元の人に聞いてみると祭りの際、この絵を神社からいただき玄関に張ることで厄払いになるとのことでした。

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土塀に囲まれた立派な茅葺の民家。

篠山街道を歩いていて、立派な古民家が多く残っているのにはうれしい限りです。

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この建物は、「重兵衛茶屋」。

江戸時代、大名の参勤交代の時や一般の旅人の休泊所として利用された茶屋で、
篠山市の文化財に指定されています。

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ようやく篠山城跡に着きました。

城の堀のまわりに今も残る武家屋敷跡。

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篠山街道を亀岡から篠山まで二日をかけて歩いた「街道を行く」。

丹波の自然とのどかな農村風景、そして街道筋に今も残されたこの地域特有の貴重な建物。

17年前にこの街道を車で走り、その時見過ごしたものが今回歩いて見ること、知ることができた街道歩きでした。

とりわけ天引集落での住民による「天引区の活性化と未来を考える会」の取り組み。そして福住地区での街道沿いの東西3.260m、東西460mの広範囲での伝建地区指定を望んだ地元住民の地域に対する思いと誇りには感服しました。

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by y-tukide | 2017-10-02 08:08 | 街道を行く