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(旧)枚方宿の町家再生工事―2

ツキデ工務店は、現在5棟の古民家再生工事を行っています。
その内の一つが、以前私のブログで紹介させていただいた(旧)枚方宿の町家再生工事です。
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392605.jpg

昨年の10月から解体工事をはじめ、これまでに足元の基礎工事、躯体の「揚前(あげまえ)」と柱の「根継」、躯体の「建ち直し」、耐力壁の増設と補修工事が終わり、今は大工が造作工事を行っています。

これまでの工事の様子を一部紹介させていただきます。

まずは基礎工事。
この建物は、江戸時代淀川を往来する船が立ち寄る港の一つであった「枚方港」の近くに建っています。地盤調査の結果、地下水位が浅い位置にあり地盤があまりよくありません。
そのためにか建物の柱が下がり、最大で80mm下がっていました。
それで今回は、柱がのる礎石周り1m四方に150mm厚のコンクリートを打ち、これ以上下がらないようにすることにしました。
まず、柱の「礎石」の周りと建物の外周部の柱がのる「カズラ石」周りを掘り、整地し、礎石とカズラ石に穴をあけ、アンカーに差した13mmの鉄筋を打ち込みます。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391543.jpg
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391616.jpg
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391480.jpg

次に湿気が上がってこないように防湿フイルムを一面に敷き、礎石とカズラ石に打ち込んだ鉄筋の周りに一体となるように鉄筋を組みます。そしてそれ以外の部分には、5mmのワイヤーメッシュを敷きます。
そして礎石・カズラ石周りは150mm厚、その他の部分は70mm厚でコンクリートを打設しました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391509.jpg
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391573.jpg
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391667.jpg

コンクリート地盤をつくった後の次の仕事は、下がっている柱を上げる「揚げ前」と朽ちている柱の足元を切り取り「根継」する作業です。
再生工事に長けた大工と見習い大工の二人だけでこの作業をこなしてくれました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391628.jpg

建物の外回りに半間ごとに入っている「側柱」は、溝形鋼で両側からはさみ、両側に25トンの昇降能力のジャーナルジャッキ4台で上げます。
このジャーナルジャッキは優れもので、アルミ製で軽く、鍛造歯車を使っているので強力かつ噛み合い優れていて、かけっぱなしにしていても下がる心配がなく安心です。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_11132673.jpg

上げた後は柱の「根継」の仕事です。
これは「金輪継(かなわつぎ)」という伝統的な「継手」です。ツキデ工務店の倉庫にあった堅木のケヤキやクリ、ヒノキの切れっぱしをうまく無駄なく使ってくれました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391655.jpg
(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_11133095.jpg

そして次は「足固め」の仕事です。
伝統工法の「石場建」の建物は、石の上に柱がのっているだけなので、地震などの時、それぞれの柱が勝手に移動すると具わいが悪いので、各柱の足元を横架材で繋ぎ固めます。
これは改修前の「足固め」の状態、「長ほぞ」に打ち込まれた「込み栓」が中で折れたのか柱と足固め材が開いていました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10391651.jpg

これらの「足固め」をすべて新しくやり替えます。
この作業は古民家再生工事では、大変大事な仕事です。
仕口を固めるのにいくつかの方法があるのですが、今回はボルトを使うことにしました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392549.jpg

足固めの次は、傾いている柱を正常な状態に戻す「建ち直し」の作業です。
2トンの性能のチェーンブロックをかけて引っ張り「建ち直し」をします。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392651.jpg

「建ち」を直しても、長年傾いた状態だったので「仕口」と壁に「くせ」が付いていて、チェーンブロックを緩めると元に戻ってしまいます。そのために「仮筋交い」で止めたり、チェーンブロックをかけっぱなしにします。
次に「建ち」が戻らいためにと耐震補強のために新たな壁を設ける作業を行います。
当初の計画では、昔ながらに「通し貫」に「竹小舞」を編む予定だったのですが工期の関係で、「木小舞」に土と紙を塗り乾燥させた「荒壁パネル」に変更しました。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392699.jpg

ただ既存の壁の補修部分は、「小舞竹」を編み土をつけています。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392657.jpg

以上簡単な説明ですが、現時点でのこれまでの仕事です。

今回の再生改修工事では、2階は一部のみ改修するのですが、その箇所の「竿縁天井」をめくると「地棟(ぢむね)」に張り付けた「棟札(むなふだ)」が出てきました。

「棟札」は、この建物が「棟上げ」されたときの記録として棟などにつけて残す札で、施主名、大工棟梁名と日付が記されています。
それをよく見ると「天保三壬辰九月吉祥日」と書かれていました。
天保三年というと江戸時代で西暦1832年、187年前です。

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392586.jpg

私は、明治期の建物とばかり思っていたので、驚きでした。
その部屋の壁は「真壁」に和紙張りで、下張りの紙には文字が書かれているのですが残念ながら私には読めません。
勝手な想像ですが必要がなくなった江戸時代の帳簿・帳面類ではないかと?

(旧)枚方宿の町家再生工事―2_e0164563_10392538.jpg


by y-tukide | 2019-03-18 13:00 | 仕事色々