9月というのに日中は残暑が厳しい日々が続いていましたが、ようやく過ごしやすくなったこともあり、この間酷暑で控えていた相棒との「街道を行く」をそろそろ再開することにしました。

この日巡ったのは、京都丹後の宮津湾に浮かぶ天橋立の東側に突き出た小さな半島「栗田（くんだ）半島」。

宮津港の駐車場に車を置き、ここから出発です。

宮津漁港では、朝水揚げされた魚のセリが行われていました。

宮津湾沿いの道は車通りも少なく、のどかな風景を楽しみながら走れます。

鏡のように穏やかな宮津湾では、ボートの練習が行われ、背後に天橋立が浮かびます。

海岸に沿って弓なりに家並みが続く「矢原」という小さな集落。

背後の山の谷筋から広がるさほど広くない平地では、稲刈りが行われていました。

突然現れた陸に上がった木造船。

ここは半島北端の「田井」という小さな集落。

宮津湾沿いに半島の先端へと向かう道はここで終わり、右折し半島の反対側、若狭湾側へとちょっときつい坂道がうねります。

そして半島の東側の海。

太陽光線の加減もあるのでしょうが、西側と比べ青さがが鮮やかで明るい海。

この辺りからは下り坂、さわやかな風で汗も引き、美しい景色に癒されながら坂道を下りきると集落が現れます。

その入り口に祀られた地蔵群。

手押し車を押した老婆が花を供え、手を合わせる姿は「日本むかし話」の世界。

実にのどかな漁村風景。

集落内で自治会の掲示板を目にして知ったのですが、この集落の地名は「島陰（しまかげ）」

という何とも粋な名です。

名の由来は、集落のすぐ先の「鈴島」という小島の陰になるからだとか。

島陰集落の先に「越浜（おっぱま）海岸」というこれも実にきれいな浜が続きます。

そして道は、「小田宿野（おだしゅくの）」という集落に入ります。

栗田湾に突き出た朽ちかけた丸太の桟橋。

私は、宮津には幾度となく訪れていますが、今回相棒と「栗田（くんだ）半島」を気ままに２０数キロ巡り、半島ののどかな風景や素朴な漁村のたたずまい、そして景勝地とも出会え、改めて宮津の魅力を深めることとなりました。