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北国脇往還 関ケ原から春照を行く
琵琶湖の湖北を通る街道で「北国街道」は、中山道の米原付近から長浜の市街地を通り、木之本をぬけ、北陸へと通じる道です。それに対し「北国脇往還」は、中山道の関ケ原から伊吹山の麓を通って、斜めにショートカットして木之本に北上する道で、現在の365号線にほぼ沿っている古道です。
戦国時代、織田・徳川連合軍と浅井・朝倉連合軍との戦いでも織田・徳川の連合軍がこの道を通り北へ攻め入り「姉川の合戦」が行われました。その後も羽柴秀吉が柴田勝家との「賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦」で美濃の大垣から木之本への13里(52km)を5時間で駆け抜けた「秀吉の大返し」でも有名な道です。
私は、9年前にもこの道を行っていますが、秋のこの時期、改めていくことにしました。
中山道の関ケ原の「十六銀行」が建つ角が、中山道と北国脇往還の分岐点。
ここから街道を進むと、ほどなくJR東海道線の高架橋を渡ります。すると右手に「岐阜関ケ原古戦場記念館」と「関ケ原古戦場 徳川家康最後陣地」の碑が現れます。
さらに進むと右手に「天下分け目の合戦」の決戦地ののぼりが目に入ります。
その西側の前面には、石田光成の陣があった笹尾山があり、その山裾には、杭の柵が再現されています。
石田光成が率いる西軍の総兵力は、徳川家康が率いる東軍を上回っていると共に、地形的にも西軍が高みに陣取っているので、常識的には西軍有利のはずなのに、内通による寝返りにより、国内最大級の戦いは、わずか半日程度で東軍勝利のもと幕を閉じます。
古戦場を後に先を進むと「玉」という石垣がきれいな集落に入ります。
山の斜面に細く伸びる小さな集落で、江戸時代、美濃と北国間の荷物の収益が宿の財政を支えていたそうですが、今は宿場の面影は余りありません。
国道365線をしばらく進み、右斜めに入る坂道を上ると「藤川」という集落に入ります。
ここも元宿場で、集落に入るとすぐ右手に元本陣であった立派な民家が現れます
江戸時代、参勤交代の北国方面の諸国大名もこの道を通り、加賀藩前田家の殿様もここに来たことが、この家に残る古文書に記されているそうです。
集落内の街道沿いに建つ、どっしりとした構えの美しい白壁の土蔵。
藤川宿のはずれに藤川分校跡があり、そこに昭和50年11月に建てられた「百周年記念碑」が草むらに寂しげに立ちます。
ここから街道は木立の中を走り、次に「寺林」という小さな集落に入ります。
集落のはずれに立つ朽ちかけの木の道標。
以前ここを訪れた時、この道標の案内書きには「北国街道」と記されていました。
北国脇往還という呼び名は、明治以降に呼ばれた名称で、それまでは「北国海道」と呼ばれていたそうで、まさに北陸の海に通ずる道だったのです。
今やその古道も忘れさられようとしています。
寺林の集落を後に、次の「春照(すいじょう)宿」に向かう途中、寄り道して「大清水」の集落に立ち寄ることに。
集落内の「泉神社」の石の鳥居の前の山肌から、伊吹山の伏流水が滾々と湧き出ています。日本名水百選にも選定されている「泉神社湧水」です。
神社の前には、この湧き水を汲めるところがあり、それを目当てに途切れることなく、水を汲む人が訪れていました。
この名水でのどを潤し「春照宿」へと向かいました。
「春照宿」は、街道筋の中でも比較的大きな集落で、集落内には「伊吹薬草の里文化センター」や「伊吹山文化資料館」などがあります。
以前訪れた時「伊吹山文化資料館」に珍しいものが展示されていました。
伊吹山は薬草、ヨモギが原料の灸(やいと・きゅう)が昔から「伊吹もぐさ」として有名ですが、そのヨモギを使うサウナ風呂です。
「春照宿」の街並み。
宿場内で見かけた目珍しいレンガ造りの蔵。
街道沿いに建つ「伊吹山麓 多目的古民家」と書かれたプレートが張られた、再生された古民家。どのように活用されているのでしょうか?
宿場のはずれの八幡神社の角に立つ「左ながはま 右きのもと えちぜん」と彫られた
石の道標。
秋晴れの中にどっしりと構えた伊吹山が目に入ります。
採掘で削られた山肌が痛々しいです。
春照宿を出ると田園地帯が広がります。この辺りは「伊吹蕎麦」の生産地。
そして見つけた小さな白い花をつけた蕎麦畑。
思わず伊吹山を背景にシャッタをパシャリ。
姉川沿いのこの辺りは、日本の蕎麦の発祥の地と言われ、その後ここから今日の蕎麦の名産地とされる信濃などに伝わったとか。
この時期、その蕎麦の収穫期を迎えていました。
昼飯は、近くの店で伊吹蕎麦の「おろし蕎麦」大盛をいただきました。
この日は秋晴れ、空気もさわやかで、絶好の「街道を行く」日和でした。
by y-tukide
| 2023-10-09 09:00
| 街道を行く
























